2017年6月1日木曜日

背景練習 陰影の重要性

「背景が描けない!」

苦手意識が強すぎて、思いつきもしない。
だから、まずは描けそうな気分になるべくトレースをしてみた。
フリーの写真素材からピンときたものをDLしてトレースしてみて、ふと気が付く。

最初はざっと描こうとして、まあ、雑に描いていたのだけどなんだか雰囲気がある。
なんでだろうと思ってじっと見ていて気が付いた。
トレースするために透明度を上げていたのだけど、それでも写真自体の陰影の具合がうっすら残っている。
それゆえに雑に描いても何となく雰囲気のある感じに見えたのだ。

 線画だけだとただの雑な背景だけど…
写真をもとに陰影もつけてみたら、だいぶそれっぽく見える不思議。
今まで影を描くことの意味は何となく分かっていたつもりだったけど、今回はっきりと分かった。
陰影があることで存在感が増す。
背景を描くとき、ディテールとかパースとかそういった部分ばかりを気にしていた。
漫画だとここまで影を描き込むことはない。
それゆえ、線ばかり気にしていたのだ。
もちろん漫画を描くときにこんなに暗くしてると読みづらくなってしまうから使えないが、トーンを貼ったり、ベタを塗ったりする場合の参考には多分なる。

よく考えると(最近はデジタル化も進んだせいか、トーン多用で影が細かくつけられているものも増えたが)漫画って一番濃い影ぐらいしかついてなかった。
何故かといえば、線で囲まれているからだ。
線というのはある意味一番暗い影のような役割を果たす。
それゆえに、あまり影をつけると画面が真っ黒になってしまう。
だから、漫画を参考にしていると影の存在を少し忘れてしまうのだと思う。

それから、昔の絵、浮世絵とか日本画と呼ばれるものを見てみても、影って描かれていない。
それがなぜなのか、勉強したことがないのでわからないけれど、西洋画には影があるのに日本画にはないことはわかる。
東洋では存在を描きだすのに重要なのは輪郭線で、陰ではなかったのだろうか。
ふと、思いだしたことがある。
私は海外に行ったことがないけれど、学生時代、彫刻の教授がスペインに行った話を聞いた。
スペインの日差しは、日本と比べると強く、色彩が濃いのだと言っていた。
日差しが強いと影も色濃く出てくるんじゃないだろうか。
そういう見え方が、陰影を描きだすことをさせたのではないだろうか。

学生の頃、デッサンの授業を受けているといつも困った。
影が薄い。そして、光が壁やら床やらで反射するのでいくつも影ができていていったいどれをはっきり描くべきなんだとめちゃくちゃ悩んだ。
だから、デッサンは嫌いだった。
室内の人口の光のせいかとも思ったが、電気は消されていた。

それから、海外のドラマなんか見てると、ネットでもよく言われているのを目にするが、画面が暗い。
影がよくできる。
日本のドラマはそれに対して明るい。
照明の違い、光の当て方の違い、それもあるんだろうけど、日本人ってすべてが均等に見えてる方がいいのかなとも思う。
洛中洛外図なんか見ると、全てが均等に描かれている。
一番注目してほしい場所はよくわからない。

影を描く。
それは、西洋的な文化なのかなとふと思った。

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