2017年4月2日日曜日

美術は何にも教えてくれない

洋画を見ていて、登場人物に美術大学を出たという人が出てきた。
彼女は、母親を亡くしたその子供の絵の宿題を見ていて木はこう描くといいのよと教えていた。
子供がどこで教わったのと聞いたら、○○大学の美術科でと答える。
これを聞いて私はびっくりした。技術を教えてくれるのかと。
学校でやる美術系ってとにかく実技実技実技、だけど、聞かれなければ技術を教えはしない。そういうのを教えるのは学校といっても専門学校の方だ。
そんな印象だったのだ。

学校で教えることに関しては、先生にゆだねられている面がある。
私が教わった小中で、正直なところ技術を教わった覚えはあまりない。
ないことはないが、道具の使い方についてである。
それもまた技術だが、絵を描く技術ではない…というか知りたい技術ではなかった。

絵心教室というDSのソフトがある。
タッチペンを使って、絵の描き方を教えてくれるソフトだ。
これをやった時、なんでこれを教えてくれなかったんだ!と思った。
物の見方、色の使い方、どうしてそうするのか、教えてくれたのだ。
指示に従って、試行錯誤しながら描いていくのが面白かった。

ふと中学生の頃にも、指示に従って描いていく授業があったのを思い出した。
名前は忘れてしまったが、植物は成長していく方へ描くとかなんとかいう方式でどんな子供でも絵が描けるというものらしい。
私はそれがすごく嫌だった。
成長していく方へ描く、理論的っぽいようなそうでないような、とにかくどうしてそう描くのか意味が分からなかった。
絵心教室との違いは明白だ。納得できる理論がない。
そして、もう一つ。
実は絵心教室は指示に従わなくてもいい。
プログラムから外れた方向へはフォローしてくれないが、でも描くことはできる。
でも学校だと、見られているから外れるのは難しい。
外れるつもりはなくても、外れることができるというのは何とも自由な気持ちになる。

美術系を志したり、今美術をしているという人はきっと学校の美術科で教わったこともたくさんあるというのだろう。
それは否定しない。
だってそれはきっと事実なのだから。
彼らの先生は教えてくれた。彼らが必要だったことを。
義務教育なのに、教師の質に左右されるってなんだか恐ろしい。

美術は感覚でできてしまう面もあるから、きっと言語化が苦手なのかもしれない。
でも、言葉にできなければ、伝えるのは大変だ。
絵心教室はそれができていた。
感覚だけじゃ、教えられない。

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