2017年4月4日火曜日

絵心教室を再開してみる

2012年9月13日発売「新 絵心教室」

絵心教室というソフトをご存じだろうか。
DSや3DSで発売された、その名の通り絵心を育むゲームソフトだ。
手順に従っていくと、絵を描くコツがわかるのだ。
始めはDLソフトだったがのちにパッケージになり、シリーズ化されている。

私は、これが発売されたころ、すごく欲しくて仕方がなかった。
けれど、普通のDSしか持っていなかったからDLができなくて、3DSを買ってやっとDSiウェア版をプレイできた。
一応、受験のために絵画教室に通ったりしていた経験もあるのだけど、これを遊んでみて何とも衝撃的だったのを覚えている。
写真やお手本を見ながら示された手順の通り描いていくと、見本さながらの絵が描ける。
絵を描くとき、どうしてそうするのか、どうしてその色を使うのか、簡単にだが説明してくれる。
それは感情だとか感性だとかそういうところではなく、理論的に。
絵に理論というものがある。
色彩学だとかそういうものがあることは知っていたのだけど、結局最後は感性だと思っていたものだから驚いた。
中学までの美術教育って、とにかく自由が重視されていたように思う。
色彩の事とか習った覚えはあるが、絵に書くときにその知識を生かすことはあまりなかった。
色彩を習う時はそれ単体で、鉛筆の濃淡の出し方も教えるだけ、実際に絵にするのはまた別の話。
つまり、使うかどうかは自由なのだ。
けれども、そういった技術って結局使ってみなければわからないことだらけだ。
絵心教室のように、今はこれを使ってみよう、そうしたらそれっぽく見えるよと示してくれると実感があるのに、切り離された授業では単に知識として残ればいい方で、描くころには忘れてしまう。
だから、衝撃を受けたのだろうし、多分教わったことさえも、なんで教えてくれなかったの!?と思ったのだ。

絵を描くことに対するコンプレックス

大学まで行って美術を学んだ人間に対し、どんなイメージを抱くだろうか。
とにかく美術が好きで、なんかすごい絵を描いて…なんて感じかな。
好きだから学びに行くわけだけど、好きな人間が集まればその中でも熱意の量とかうまい下手は出てくるわけで。
私は自分が本当に美術が好きだったのか、酷く悩んでしまいには美術なんか嫌いだったに違いないと確信までした。
私が好きだったのは美術ではなくて、漫画とかイラストの方だったのだ。
でも、漫画やイラストを描く人で美術に興味がある人も割といるわけで。
だんだんわからなくなってきた。
それに絵が上手い子でイラストも描く人の絵はやっぱりうまい。
自分の下手くそさに嫌になった。
こんなに続けていたのに、と。

とにかく”うまく”描けない。
それがコンプレックスで、本気で描くことなんてできなかった。
本気で描いてそれでも下手くそだったら、もう、どうしようもないから。

途中で嫌になる

絵心教室を続けていると、だんだんと複雑なモチーフが見本になっていく。
そうすると、はじめより描けなくなる。
見本とは程遠い作品になる。
始めは結構描けるじゃんと思っていたのに、現実を突きつけられたような気になる。
そうするとだんだん飽きてきてやめてしまう。
だから、絵心教室も初級コースをなんとか終了したところでやめてしまった。
初心者だったら、複雑なモチーフも意外と描けるじゃんとなるのかもしれないけど、一応描いてきたという自負があるわけで。

再開してみる

けれど、何となく今回再開してみることにした。
何となくだ。
せっかく買ったのにもったいないという気分なのだろうか。

多分途中で飽きた原因はもう一つは誰に見せこともないことだったのだと思う。
仕方がないがゲームでは批評とかはされない。
絵画教室では、描いている途中や描いた後にここをもっとこうした方がいいとか言ってくれるのだけど、このゲームの場合は自分で見つけなければならない。
そういえば学校の美術だって一緒だ。
アドバイスなんてほとんど受けられない。

アドバイスとかじゃなくたって、作品を人に見せること、そしてコメントを貰うことはモチベーションにつながる。
絵とはきっとずっと昔から、言葉がまだなかった頃から他人に伝える手段だったのだ。
それなのに、自分だけで完結するなんて無理だった。

そりゃ最初は描くこと自体が面白いのは否定しない。
自分だってそうだから。
でも、だからってずっとそれが面白くて続けられるかといったら別の話だ。
だから、描くこと自体が楽しくなくなって、自分は本当は好きじゃなかったんじゃないかなんて悩む必要はない。
むしろ、それでも描き続けようとするのなら、やっぱり好きなんだと思う。
世間の言う、好きの、興味のイメージに自分を当てはめる必要なんて、何もない。
そう思ったら、心が少し軽くなった。

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