大河ドラマは見てますか?
歴史とかあまり得意ではないので、祖母が見ているのをなんとなーく眺めている。
そんな感じだったのですが、昨年の「真田丸」の脚本が三谷幸喜さんだったのでずっと見ていました。
三谷さんの喜劇面白くて好きだったので!
前半はよかったんですが、ラストがちょっとあれでしたかね。
なんか週刊漫画の打ち切りが決まって尻つぼみで終わったかのような…
とまあ、昨年の感想は置いといて。
その流れで「おんな城主直虎」も視聴しております。
今週の話は、ちょっと話題になりましたね。
主人公の直虎が、主人公の治める井伊の地を守るために幼馴染であり臣下であった男を槍でつく。
何とも悲壮な場面。
感想を検索すると、泣いたとかそんな感想が出てきたり。
いやしかし、「死にネタ」好きとしては最高の場面でした。
本心を口にはできない、それでも通じ合う二人。
穏やかな日常が手に入りそうだったのに、あとその手から零れ落ちていく残酷さ。
死ぬのに、だというのに笑う男。
次回予告が素晴らしい。
いなくなってしまった彼の名を呼ぶ直虎。
お家を失った現在と相まって、何ともいえない物悲しさが映像から伝わってきます。
むしろ、来週が楽しみ。
「死にネタ」を盛り上げるのは、悲壮な最期ではなく前後のストーリーだと改めて認識しますね。
いきなりこの場面で始められても、悲しくはないんですよ。
井伊のたどってきた物語と、二人の関係が描かれたからこそ、悲壮感を増すのです。
だって、刑事ドラマなんてたいていいきなり人が死ぬけど、そこまで悲しくはないでしょう?
そして、もっと重要なのは、実は死んだあとだと思うのです。
昔、テイルズオブシンフォニアというゲームがありました。
プレイヤーの選択によっては、パーティキャラの一人が裏切りそして死ぬ。
ただ、そうやって選択させたにも関わらず、死んだあとそのキャラに関してそのダンジョンを抜ける際に一言あったぐらいで、その後はまるで初めからいなかったかのようなのです。
仲間を大切にする、そういう評価の主人公であるにもかかわらず何ら言及がないので、むしろ薄情だなと思ったものです。
そうなんです。
死んだあと、死んだキャラに関わった人たちがどうなるか。
「死にネタ」の重要ポイントはそこなのです。
今までそこにいたものが失われたときどうなるのか。
刑事ドラマが好きなのもそこかもしれません。
被害者遺族となった家族たちの反応。それが、被害者の生前を思い起こさせる。
いないのに、です。
そこが面白いんだと思います。
もちろん、派手なアクションとか推理とかそういうところも面白いんですが。
死にネタについて書きたいと思ったのは、実は今週の聖闘士星矢EpisodeGAを読んでから。
なにそれ?と思うかもしれません。
チャンピオンクロスという、無料のWEB漫画サイトで読める聖闘士星矢の派生作品です。
今週のお話は、ある兄弟が地上のために殺し合わねばならない展開でした。
その兄弟は、聖闘士の鑑と言われるような正義感あふれる兄弟なんですが、GAだとその兄は狂って自らを純然たる悪とまで言うようになってしまいます。
彼がなぜそうなってしまったのか。
それを描いた過去のお話が今週の話だったのです。
邪神にとりつかれた弟を、殺さなけらばならなかった過去。
最高でした。
これまで描かれていたのはいわば、死のあと。
死の前というのは原作やGAの前作で描かれていたように、仲のいい兄弟でした。
殺し合わねばならない。
殺さなければ地上は滅ぶ。
でも、弟を殺すことなんてすぐには決断できない。
それを促したのは、なんとか意識を表に持ってきた弟の言葉。
兄はみんなを守るために正しい選択をするのだという、弟の言葉。
「死にネタ」の何が好きかって、多分、それぞれあるんだろうけど、私は死という不可逆的な出来事に対して起こる変化です。
中にはスプラッタなものが好きな人もいるんだろうけど、私実はスプラッタなホラーとか見てられないんです(笑)
ホラーだとやっぱり自分の身を守ることが最優先になっちゃいますから、「死にネタ」としては面白くないんですよね。
ああ、面白い。
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