2017年11月2日木曜日

長く”練習の”絵を描いていると自分の上達がわからない

私はとにかく、上手くならなければ絵は外には出してはいけないと思っていた。
【外に出す】というのは、私にとっては商業に応募するとか展覧会を開いてみるとかそういうこと。
とにかく、上手くなるまで練習し続ける。自分でOKが出せるまで、練習だけ。
雑誌に投稿したりネットのイラストSNSに投稿したりすることはあったけど、それは趣味の範疇で、気合を入れたものも適当なものもごちゃ混ぜになっていた。
何が違うのかというと、批評されるかどうかだった。
雑誌もイラストSNSも、自分たちのコミュニティの中。そんな感覚だった。
そこを飛び出すには、むしろコミュニティの中でも一番にならなければいけない。
そう思っていた。
だけれども、学校だとかそういう小さめなコミュニティならまだしも、ネットで世界中につながったコミュニティで一番になるのは、多分商業で成功するのと同じぐらい難しいのかもしれない。
上にはいくらでも上がいるのだ。
多分、私にとってコミュニティ内で投稿するというのはスポーツで同チームのライバルとしのぎを削ることで、そこから出るということはレギュラーに選ばれること。
そういう感覚だったんだと思う。
つまり、結局は練習のつもりだったのだと思う。
いつまでたっても、こんなに練習していても、上手くならない。
人にうまいねと言われても、いやいやそんなわけないと心のどこかで思っている。

ただ、最近、それでもなんだかうまくなったんじゃないかという瞬間があった。
以前描いた漫画と今描いた漫画。
それらを見比べてみると以前よりはうまくなった、そう思えたのだ。
ちょっと抜き出してみる。

上から2014年、2016年、2017年。キャラは同じものだ。
何が違うのかといえば、一番違ったのは丁寧に描くことを意識したことだった。
以前も別に雑に描いていたつもりはないのだけど、後から見ると雑に見える部分もあった。
同人誌を発行したことがある人は知っていると思うけど、印刷所に早めに入稿できればそれだけ割引が効くことがある。
趣味とはいえ、できれば出費は抑えたい。
そう思ったら締切ばかりを気にして、どこか妥協した部分もあった。
でも今回は、丁寧にやろうと決めた。
今までは多少の違和感は無視していたけど、それも徹底的に直す。
簡単なとこは資料はあまり見ないで描いてたけど、わからないとなればいくらでも資料を探す。
そうしたら締切りを気にして焦っていた今までよりもむしろ早く入稿できたし、今の時点では納得の行くものができた。

正直に言うと、今まで練習と称して好きなキャラばかり描いてきた。
そして、上記のキャラはあまり描いてこなかったキャラクターだった。
練習と言っても、自分のできないことが多すぎて何をしたらいいのかわからなかったのだ。
描き続けたからといってうまくなっている実感も湧かない。
だから絵を描くのが嫌になる。
だけど、今回は描くことが楽しかった。
直せば直すだけよくなっていく。
今までは資料をろくに見ずに感覚だけでやっていたせいだろう。
直す正しい位置がわからなかった。
だから、直しても違和感だけが残る。
それがないだけで、こんなに楽しいとは。
練習だけしていたらわからなかった。
完成品を作る。
ただそれだけで、よかったのだ。
完成品をきちんと作るということは、今のレベルを知ることになる。
それで落ち込むかもしれないけど、それでも今の立ち位置を知らなければ前には進めない。

何を練習したらいいのかわからない人は、とにかく実践してみたらいいと思う。
好きに作品を作り、そして、描けないからといって諦めない。
今の自分にできる最大限で描く。
そうしたら、きっと前に進める。
そう、思った。

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