人のやる気は3日も持たない
公募ガイドという雑誌を買ってきた。表紙の「それって「当たり前」?」という見出しが気になったからだ。
公募ガイドはその名の通り、いろんな種類、いろんな会社のアートだったり小説だったりの募集内容が集められた雑誌で、小説の書き方や心構えなどの特集記事も載っていたりする。
今回の特集は創作を行う人がこうしなければならないと思っているだろう当たり前を見直す記事だった。
その中で一つ個人的に衝撃を受けた部分が、人のやる気は3日も持たないということだった。
やってみよう!と思った一日目はもちろんやる気に満ち溢れている。
しかし、脳科学的に見ると二日目になるともう一日前よりはやる気が落ち、3日目にはかなり落ちているというのだ。
つまり、何かをやるのにやる気で図ろうとすると3日ぐらいしか持たない、いわゆる三日坊主というものになる。脳科学的には仕方のないことだったのだ。
大事なのは継続することを意識せずに続けられること
人はやる気が続くようにはできていない、とは言ってもやはり3日ぐらいでやめてしまっては技術をあげることはできない。3日やってもう満足というのならそれはそれでいいのだが、何かしら技術を得たいとかそういうものは続けられた方がいいだろう。
記事に書いてあったが、そういう場合やる気が出ないことを克服することより、どうしたら継続を意識せずに技術をあげられるかを考える方が効率がいいとのことだった。
私自身、なかなか何をやっても続く方ではなかった。
夏休みの宿題は一行だけ描けばいい日記ですら毎日なんて書けなくてまとめて書いていたのを思い出す。
これがやらなければならないことならやる気があろうとなかろうとやるわけだが、それでも締め切りが差し迫るまでなかなか手を出せなかったりもするし…
でも、最近毎日続けていることがある。誰にも見せない、日記だ。
続かない私が続けられるように書く日記
以前本で日記を書くと良いと読んでから、続けている。といっても、日記なんて続けて描いたことがない私は、はじめる前からどう考えても2.3日書いて終わってしまうだろうと思った。
だから、対策をした。
まず、手書きがいいと書いてあったので書くためのノートをなるべく手元に置くことにした。
日記というと一日の終わりに机に向かって今日のことを整理して…みたいな感じで書くのを想像するけれど、それは続かなかったからまずやめた。
そして書くことは何でもいいことにした。
何か思いついたらノートに書く。それが今の怒りなりなんなりであったり、妄想であったり、なんでもいい。
今日の出来事がないものは日記と呼べないかもしれないが、まあ、人に見せるわけでもない。
読んだ日記の本には書き方の指定があったので、日記がいいというところの効果は発揮されないかもしれないけど、とにかく書くハードルを下げることに専念した。
最後にもう一つ、ノートは小さめのA5サイズ、分厚くないものに、ペンは書きやすいものにした。
ペンの書きやすさは、書くモチベーションにつながる。書きにくいとそれだけで書く気もなくなってしまうものだ。
だからノートの紙の方も重要だった。今や100均でなんでもそろうが、100均じゃない方がいいと思っている。もちろん100円でもいいものはあるんだけど、書き心地が試せないのでいい描き心地の物を探すなんてしてたら逆に高い買い物になりかねないし、質がそこまで安定してないから100円なのである。いい時もあれば、悪い時もあったりする。それならば、実はプライベートブランドで100円しないノートの方がよかったりすることもある。
そして、サイズ。あまり小さすぎても量が書けないが、大きすぎても埋めるのが大変だ。
内容より埋まっていくことが大事で、毎日書いても書くことがあまりなくて空白が多いとなんだか気分がよくない。
私は一日の分は一ページに、書くことが増えたらページを増やしてもいいが、余白が残っても次の日をその続きには書かないようにしているので、A5サイズが程よく埋まるし、余白が残ってもまあいいかという気分になるサイズだった。
最初はぎっちり書いていたのだが、そうするとなかなか一冊終わらない。
やはり一冊書き切ると気分が上がる。次も書きたくなる。
だから、小さめでかつ薄いノートがいいと思っている。
一度、いちいち買いに行くのは面倒だと分厚いノートを買ったのだが、なかなか終わらないので若干やる気も落ちていた気がする。
継続するには
やる気を出そうとしたり、やるぞ!と気合を入れてやるよりも、気がついたらやっていたみたいな感じで習慣化してしまう方が楽だ。
だから、何かやりたいことがあるならまず身近に置く、置くことができないならとりあえずそれをやれる場所の近くにいることが大事だと思う。
絵を描く人が、まずは絵を描くPCなりなんなりの前に座って電源を入れることを習慣化しようといっていたのを見たことがある。
今はタブレットなどでもかけるのでハードルは下がったが、電源を入れて立ち上がるのを待つのを案外億劫だったりする。
そう、まずはハードルを下げるのも大事だ。
綺麗に整った文章、丁寧に描きあげげたイラスト、そうでなければいけない、と思い込むのではなく、まずは適当な文章になってない箇条書き、ラフでもいい。
ただ、これにはちょっと罠があって、そればかり描いてるとそれが癖になる。これも公募ガイドの記事にあった話で、完成させなければ技術が向上しないということはないけど、完成させないで次々書いてるとそれが癖になってしまうそうだ。
きちんとしたものを作りたいのであれば、思いついた大作なりなんなりは完成までもっていきたいところだ。
ハードルを下げて習慣化できれば、続けることは苦労じゃなくなる。それでも時々嫌になることもあるが、そういうときもちょっとだけできることを設定しておいてそれでOKとしてしまえるようにしておけば、あの日はできなかったと自己嫌悪することも減る。
そして続けられているということは案外自信にもつながったりする。
とにかく始めたらいいと思う、ハードルは下げて。
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