2016年12月11日日曜日

「君の名は。」を見てきました

今更ながら「君の名は。」を見てきました

今年の話題の映画の一つといえば「君の名は。」だと思います。
普段あまり映画館に行かないので、話題になってるし見に行こうかなと思いつつも足を運ぶことがなく…ようやく見に行ってまいりました。
ラブストーリーっていうのが苦手なところもありましてどうなんだろうと思いつつ…
田舎かつ平日ゆえに人は少なかったものの、ちょっと年のいった感じの夫婦なんかが見に来ていて、アニメ映画に親子連れでもなければ若い人でもないそういう年齢層だけできていることに、話題になるってこういうことなんだなと感じました。

背景の綺麗さ

すごく個人的な話をします。
私は漫画なんか趣味で描いたりするんですが、背景を書くのがすごく嫌いです。
細かい労力を使うわりに、漫画を自分で読んでて思うのですが背景なんてほとんど見てない。

で「君の名は。」なんですけど、とてもきれいです。
監督さんの名前を聞くときだいたい背景がすごいとか言われてたので、これは確かにすごいなと思いました(しかも、これで今回はそこまで力を入れてないらしいからすごい)
そして、その中にちゃんとキャラクターが生きている。
その中になじんでいる。
そこがいいなと思いました。
雄大な自然を描くからこそ、悲劇が浮き彫りになる。
そんな気がします。
背景の綺麗さがあるからこそ、生まれる感情がある感じです。
背景なんて、どこにいるかとかそんな情報さえわかればいいと思っていましたが、こだわることでこんなにもいろんな情報を載せることができるのかと、はっとさせられました。

綺麗だからこその悲劇性

さて、ここからはネタバレが入ります。
数か月前に公開された映画とはいえ一応お気を付けください。

ストーリーの後半。
急に入れ替わりが起こらなくなって、主人公の一人の瀧は自分が見た風景を頼りに三葉に会いに行こうとします。
そこが岐阜県の飛騨地方というところまではわかったのですが、どうしてもその場所がわからない。
もう、帰らないと…そんな時間になって入ったラーメン屋で、自分が見た風景を頼りに描いた三葉の暮らした町の絵を取り出しているとふいにラーメン屋の店員がその場所の名前を教えてくれました。
夫がその町の出身だったのです。
しかし、その町は3年前に失われていました。
彗星から分かれて落ちた核が隕石となってその町を破壊したのです。
その風景はまるで2011年の東日本大震災によって失われた町を思わせる風景。
そして、被害者名簿の中には瀧が三葉として仲良くしていた友人、そして三葉自身の名が刻まれていました。
ついこないだまでいたはずの存在が、失われていた。
ついこないだまであった場所が失われていた。
何度も何度も描かれた風景だからこそ、その悲惨さが浮き彫りになりました。

聖地巡礼

今年の流行語大賞に「聖地巡礼」がノミネートされました。
以前は、おたくと呼ばれる人たちが漫画やアニメの舞台やモデルとなった地へ出かけるものでしたが、流行語大賞にノミネートされるということはおたく以外の人たちも聖地巡礼をしたくなったからでしょう。
背景が綺麗に描かれているからこそ、その場所に行ってみたいと思うのでしょう。

そしてもう一つは、描かれた物語が魅力的だった、共感できたからこそだと思います。
主人公である瀧が三葉の暮らしている糸守に行きたくなったことと同じことではないでしょうか。
そこにある何かに共感できる、だからキャラクターと同じ風景が見たい。
三葉がいるから、だけではなかったはずです。
彼女が暮らした世界をもう一度自分の目で確かめたかった、夢ではなかったと確信したかったから、だと思います。

キャラクターはキャラクターのみでは存在できない

背景とは、彼らが暮らす世界です。
田舎に暮らしているからこそ、カフェに憧れ東京に憧れた三葉がいます。
彼らの性格や個性は暮らしている世界が密接に関わってくるものだと思うのです。
それは見ている風景としての背景だけではありませんが、その一つである風景を緻密に描くことでキャラクターのいる世界を生かしているのだと思いました。

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